のぼりと文化祭
個人的には、のぼりを見ると学生時代を思い出します。
僕が通っていた高校はそれほどレベルが高くなかったので、皆それなりに勉強する程度であり、専門性もなかったので、極々平凡な高校といえるはずです。
そして学生時代といえば文化祭であります。
それぞれのクラスが趣向を凝らした出し物や出店をするので、平凡な高校であろうと学校内が盛り上がるイベントだといえるでしょう。
その頃僕は好きな娘がいました。
同じクラスのNちゃんに密かに恋心を抱いていたのですが、なんと文化祭の準備で同じ担当になれたのです。
心のなかでは、文化祭にかこつけて仲良く慣れればいいなとか妄想していましたが、まさか本当に同じ担当になれるとは神様に感謝したものです。
僕とNちゃんの担当はのぼり制作でした。
クラスでは焼きそば店の出店が決まっていたので、そのためののぼりを制作する担当であります。
のぼりと文化祭2
のぼりの制作といっても、何からして良いのか全くわかりませんでした。
するとNちゃんが、まずはのぼりのデザインを決めようと提案してくれたのです。
僕は単純に「焼きそば」の文字を入れればよいと考えたのですが、Nちゃんはせっかくだからイラストなどを書きこもうと提案したのでした。
僕には絵心がないので、Nちゃんがデザインを考えているあいだ、布を切ったりのぼりを立てるための竿を調達したりしていたのです。
そして実際に布にイラストを書きこんでいく作業は天国といえる時間でした。
二人で協力して書きこんでいったので、Nちゃんが眼と鼻の先にいるのです。
イラストを書いている間は色々な事を話しました。
今まで僕が知らなかったNちゃんの性格を知る事が出来ましたし、あっという間に時間が過ぎました。
文化祭の準備はまだ翌日もあったのですが、まるまる一日を残してのぼり制作は完了してしまったのです。
しかし翌日、なんとNちゃんは完成させたのぼりを紛失してしまったと言うのです。
Nちゃんが泣きそうな顔をしているので、僕は覚悟を決めて徹夜覚悟で制作する事を提案したのです。
Nちゃんも乗ってくれたので、深夜まで続く二人きりの教室でののぼり制作でした。
するとNちゃんが不思議な事を言い出しました。
もうのぼりの制作は止めようというのです。
約束ののぼりに続きます。